傍系居合の系譜偽称の謎

一、山川久蔵幸雅の土佐神伝流秘書に寄る系譜攪乱の謎は、十代に大黒元右衛門清勝を繰り上げ、十一代に松吉を列記して、偽証した張本人山川久蔵幸雅を十二代に記載し、十代林安太夫を歴代宗家より抹殺した。抹殺した原因は何か、この時に後の傍系といわれる一波は歴代宗家より伝わる伝書の九割を盗み隠し、地下深くに隠してしまった。そして改竄し、伝書は処分された。

  「伝書不揃いなるを遺憾とす」十五代谷村亀之亟自雄の嘆きを伺い知ることができる。

二、山川久蔵幸雅は八代荒井勢哲清信の短歌を土佐神伝流秘書に書き写している。歴代宗家の短歌すべてを所有していた。(河野百錬著書昭和30年2月発行無双直伝英信流居合兵法叢書)

三、傍系系譜の行宗貞義門下の曽田虎彦が土佐居合の系譜を研究作成した。

  河野百錬著書・昭和37年2月発行『居合道真諦』34頁資料D

  系譜抄の傍系一派下村の門下細川、同列の行宗の、二人の門下生が中山博道と記され。更に正統十七代大江宗家より孤立の傍系森本兎久身の門下中山博道と記されている。傍系の三人に博道は師事していたことが明らかである。この時点で博道と正統派の接点は何一つ存在しない。また傍系の各剣士に宗家の番号は記されていない。

四、『改定無双直伝英信流居合道・天の巻』著者/政岡壱実(昭和35年改訂版/最初の発行は昭和32年4月と記載)
高知県剣道連盟居合道理事/野田亨により改訂版に「発行について」が寄せられているされている。
表紙他/資料@、A

  宗家偽称のミニ本が全日本剣道連盟の手により密かに全国の剣道関係者に配布された。洗脳教育の先駆けが敢行された。

  正統十七代範士の写真の下に政岡壱実が第十八代範士と掲載されている。(資料B)
野田亨の紹介では政岡は大江の高弟と説明されているが、系譜列伝における傍系に歴代宗家の番号を打ち付けて、大江正統宗家を十四代下村の門下として記載している。また政岡は中山博道の門下とも記されている。
(資料C)

  正統十八代穂岐山波雄と十九代福井春男ならびに二十代河野百錬らは一切無視している。何を意図としているか明らかである。正統派に対する攪乱と挑戦である。

五、昭和51年に再度の洗脳教育が「月間・日本剣道スキージャーナル」より公に堂々と敢行された。中山博道傍系居合の宗家15世、18世、16世と宗家偽証の洗脳教育が全国に展開された。

  新たなる傍系居合の正統派に対する挑戦であった。

六、@平成15年3月発行監修()全日本剣道連盟、近代剣道書選集第十巻−居合 杖術。本選集は、戦前に出版された単行本及び雑誌を復刻したものである。内容は海軍機関学校編、剣道参考書(居合術)

   大森流と英信流が紹介されている昭和八年九月教官海軍機関大尉 福岡 武

   海軍兵学校 立居合術心覚 昭和8年9月ここでも大森流と英信流である。傍系は常に大森流と英信流に区別する。日本海軍は傍系居合に毒染されていた。その最たる団体大日本武徳会範士中山博道「居合読本」昭和9年8月発行者 著者 太田竜峰大日本武徳会錬士。校閲中山博道 内容は大森流と長谷川英信流に区別した傍系居合である。

   神伝流の流名はこの時点では見つけることが出来ない。

  Aこの書物の中に重要な箇所を見つけだすことが出来た。それは居合術教師、子爵、山内豊健、谷田佐一の共著「図解居合詳説」昭和13年3月発行(定価金弐圓)内容は傍系居合である。

   子爵山内豊健は恩師に正統十七代大江正路の筆跡と写真を掲載して正当性を訴えている。

   332貢の「居合根元の巻によれば」と題して傍系宗家を分派として認め、傍系十四代下村茂市の門下に大江正路を付け「その統を継ぎ、さらに五藤に学んでその正統を継がれ・・・」と説明されているが謎多き記述である。業は傍系居合、系譜は混同系譜、重要な手掛かりである。

   大江正路は傍系居合も研究して正統居合を確立した。写真などで下村派の浮雲、颪とうの引き倒しを見ることが出来る。立膝の業は鎧装備の鎖帷子を着込んだ敵に対する殺法である。その写真は傍系居合に疑問を投げ掛けているのである。

七、ここで河野百錬著書「居合道真諦」発効日昭和37年2月による。34貢での「居合道の回顧」大正末期の近畿地区の居合はわづかに伯流の大野熊雄氏、小石正範氏、等の諸先輩があったのみで、当流を学ぶ者は唯の一人も無かったが、真剣武道の大先覚者大日本武徳会剣道範士志賀先生の提唱に因って、昭和2年夏から土佐の国伝統の当流正統第十八代宗家穂岐山波雄先生を招聘して開催すること十八回におよび(穂岐山先生は昭和10年2月に逝去されその後は第十九代福井春政先生後来講)今日の盛況を見るに至ったものである。(福井春政は苦渋の決断をして後継者に河野百錬を選んだ)われわれはこの先見の明に感謝する。百錬宗家は昭和13年大日本武徳会居合術錬士、15年達士、21年範士、剣道範士である。「昭和33年1月全日本居合同連盟は傍系派の名人中山博道先生に名人位の称号を贈る」

  百錬宗家は昭和17年「大日本居合道図譜」の中では傍系居合演じてみせている。

 以上が傍系居合の宗家偽称による今日の宗家乱立の元凶である。全ての社会的責任は自ずと誰の手に行き着くかお分かりいただけるものと推察できるものである。

平成16年7月12日

易水館 館長

 

@『改定無双直伝英信流居合道・天の巻』著者/政岡壱実の表紙



A高知県剣道連盟居合道理事/野田亨による、改訂版に寄せられた「発行について」


B正統十七代範士の写真の下に、著者である政岡壱実が勝手に第十八代範士と掲載


C傍系をたくみに組み入れ、無理にこじつけられた系譜。

↓D河野百錬著書 『居合道真諦』34頁/昭和37年2月 発行に掲載されている系譜