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史料1:無双直伝英信流居合道叢書 (河野百錬著)

 
この史料は、正伝20代宗家河野百錬先生の著した「無双直伝英信流居合道叢書」の13ページの コピーである。
この記述は山川の残した居合伝書を記したものであり、12ページ「第二章 居合兵法伝来」には初代から第十二代山川に至る宗家系譜が記されている。
九代までは正伝と同系譜であるが、上部の註書にあるように、正伝の十代林安太夫政詡が消されており、代わりに十一代大黒元右衛門清勝が十代に繰り上がって いる。これは、
正伝十三代依田が早逝(十 二代より六年早い)したこと
山川自身が十二代に入門しながら結局は十四代から居合を数手学んだこと
伝書を盗まれた十二代との繋がりを消しておきたかった
など、様々に理由は考えうる。何れにしてもこれは系譜の捏造以外の何者でもない。
なによりも、土佐居合と何の関わ りもないのに、(山川に)都合のいいタイミングでこの世を去ったというだけで伝書盗難の汚名を着せられた松吉なる人物はまさにいい面の皮であろう。

山川の居合は「無雙神伝英 信流居合兵法」とありこれは本来「重信流」と称すべきものと記されている。
確認しておくべき事は、ここでかの「神伝」が文字として出てくるということである。

「無双直伝英信流居合道叢書」を記すとき百錬先生は曽田のデタラメ系譜共々「大 森流」居合の欺瞞にもまったく気付いておられなかった。居合人が虚言を平然と披瀝するなど信じたくも考えたくもなかったであろうし、全国の居合人から寄せ られたとされる膨大な史料全ての裏を取る余裕も無かったであろうことは想像に難くない。(でも影響力を考えれば、この辺りはやっておいて欲しかった・・)

余談であるが、
伊勢流礼法を元に初伝業十本を考案し、九代守政先生に伝えたのは土佐始祖とも言うべき実父 林五左衛門政良 である。「林」と「林」で「大森」(縦棒が一本消えているが)とは、いやはやなんとも酷 い冗談である・・・。

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